親戚のおじさんの助言でウシガエル釣りを覚えたホサキング。
エサを垂らすだけで食いついてくるウシガエルに夢中になり、川にいるカエルを次々と釣りまくりました。
しかし、すぐに飽きました。
あまりにも簡単に食いついてくるウシガエル釣りに満足してしまったのです。
穂崎少年は満足したらつまらなくなる飽き性でした。
楽しさを求めるとなるとターゲットを変えるしかありません。
そこで次に目をつけたのが水中を泳ぐ大型の魚。
小学校への通学時に度々目撃しており、捕獲することができない悔しさから石を投げて追い払う日々。
大型魚ならではの水中での余裕っぷりに穂崎少年の狩猟本能に火がついたのです。
しかし、いざ釣ろうにもウシガエル釣りに使っていたタコ糸に針を結んだだけの仕掛けでは真上から垂らすことはできても、エサを遠くに飛ばして獲物を狙うことはできません。
獲物までエサが届かないのです。
そこで母に頼み込み、町に唯一の釣具屋さんへ連れて行ってもらいました。
狙っている魚を伝え、手頃な道具を選んでもらいました。
買ってもらったのは3.6mの堤防サビキ竿に中型スピニングリール、1000m巻き5号ナイロンライン、ケン付きセイゴ針とオモリとサルカン。
全部で7000円くらい。
店のオヤジに糸の結び方だけ教えてもらい、帰るとすぐさま川に出撃!
リール付きの竿を使った初めての釣り。
小学3年生には竿を伸ばすだけでもひと苦労。
針にミミズをつけるのにも1匹では針が隠れず、5、6匹を刺しまくったぐちゃぐちゃ状態。
それを前々から大型の魚を目撃していた堰の下の溜まりに落とす。
ウキウキワクワクしながら気長に待っていると、目の前の底にへばりつくターゲットを発見。
目の前にミミズ玉を持ってくると、即丸呑み!
魚が食ったらあわせるということを知らない僕はドキドキしながら、エサを飲み込むまで5分くらい待ちました。
ヤツとの戦いのイメージを膨らませながらその時を待ち、覚悟を決めてゴリ巻き。
海用の強めのサビキロッドに5号のライン、力んだ少年のパワーですぐに陸にずり上がりました。
やり取りや駆け引きは一切無し。
釣り上げたのは45cmくらいのナマズ!
リールの付いてない竹竿でも釣れていたようなイージーな釣れ方でしたが、あまりの嬉しさに生きたまま持ち帰り、食べる事にしました。
ナマズを捌ける人は穂崎家にはおらず、キッチンバサミを使って自分で解体。
ぶつ切りにして唐揚げにすると意外にも美味で、釣る度に持ち帰って晩御飯のおかずにしていました。
釣っていくうちにエサのつけ方やキャスト、魚とのやり取りも上達。
堤防サビキタックルを武器に、いろいろな魚種を狙って行く事になります。